気付いてた?調理師の経験は他職に転職しても活躍できる

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まず最初に、私は一度、調理師を辞めた経験があります。

 

現職が調理師で転職を考えている方の参考になればと、異業種で働いたからこそ気が付いた、調理師をやっていて身に付いていたスキルのお話をします。

 

あくまで私の経験談が基準をしているので、ご了承ください。

 

 

 

調理師で得たスキルは他職に活きる!

 

あたらめて振り返ると、調理師の職場は厨房・・・料理人として働いている時の雰囲気感は、体育系の部活と大人の真剣さを混ぜたような感じだったと思います。

 

6年間、調理師としての仕事と生活で得たものは、異業種でも通用する部分が多くありました。

 

料理ができて当たり前だった仕事でも、いざ調理師から離れてみると、同世代でご飯を作れるだけでもステータスです。
「料理男子」のガチ版ですよね。元本職なのですから。

 

そして調理師で得られる技術、大根を同じ大きさに切ることや、おいしく魚を焼くなど、調理技術以外で大きく他職で貢献できる基礎が身に付いている事に気が付きました。

 

私の場合、6年で一度離れたのですが、3年ほどでも調理師として真剣に向き合って働いたなら、自然とかなりたくさんのスキルが身に付いていますよ。

 

 

【ザ料理人】上司や先輩への気遣い

 

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「料理作れへんのやったら、気ぃくらい使え」
私が料理人になって間もない頃に言われた言葉です。

 

言葉尻はキツイですけど、料理人としては間違っていないと思います。
お客さんの一皿の料理を作るために、真剣に向かうのが料理人です。

 

だけど、自分はまだまともな料理が作れない。
なら、どうするか?

 

最前線に立ち料理を作る人をサポートするため、何が必要か?どうしてほしいのか?自分には何ができるのか?を考えるようになりました。

 

営業時間中に怒涛のようなオーダーが次々に来て、テンションが上がり殺気立った料理人のサポートにはかなりの神経を使います。

 

しかもそれが毎日の仕事として続く。
これほど気遣いが強制される毎日を送るのは、料理人だけだと思いますよ?

 

仕事である程度の立場に就く人材は、誰もがよく気が付きます。

 

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どんな仕事に就いたとしても、自分の立ち位置を把握し、できる事を考えて実行する
これはすごく役に立ちます。

 

個人的には、求められ過ぎてうっとおしかった料理人の上下関係の気遣いは、異業種ではかなり有効です。

 

先輩、上司の仕事をサポートし、自身の立場も上げれるスキルです。

 

ただ、勘違いしてほしくないのは、媚びるような気遣いは一度もやったことがありません。
あくまで自分よりスキルが高い人をリスペクトし、彼らから学ぶ姿勢が現れただけです。

 

自分の立ち位置を理解し、その範囲で出来る事を考える力
これが調理師には備わっていますよね。

 

 

調理師は物事を細部まで考える力が養われている

 

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キレイに盛れているか?
崩れていないか?
異物が入っていないか?
提供する相手を間違えていないか?

 

料理屋ならおいしく美しい料理を仕上げるのに、食材や状況に応じた変化に対応した仕込みや、ミリ単位の盛り付けが求められ、学校や老人ホームなどの給食では、アレルギーや個別対応の提供内容や相手の確認を間違えると命に関わるため、神経を削ります。

 

しかも料理を提供する瞬間には、一食だけに集中できるわけではありません。
何食も平行して作り、間違えることのできない確認は連続して起こります。

 

その上、提供の時間が決められているので正確さと速さが求められる。

 

これほど厳しい状況の中で、確認が多く連続して必要な職は他にあまりないと思っています。

 

調理師は仕事において大切な、「真剣になる瞬間を見極め、深く考え確認し実行できる訓練」が自然となされているのです。

 

成し遂げなければいけない瞬間に対して、調理師はかなりタフだと思っています。

 

 

仕込みで得た段取りとスピードは他職でも優位になる

 

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調理師は毎日、仕込みと営業(提供)時間に追われる日々が普通です。

 

仕込みが時間内に終わらないと周りから怒られてるし、料理を出す時間に準備ができていないなんてもってのほか。

 

時間ギリギリの時には超スピードに動き、その瞬間にやるべき事を見極めて何とか間に合わすなんてこともあります。

 

ここまで日々追われる仕事ってあまりないのではないでしょうか?

 

ささいな仕事でも、求められる時間内に「終わらさなければいけない」
速く、丁寧に
そのために考える事が身に付いている気構えこそ、調理師経験者の大きな武器だと私は思います。

 

 

「10皿同じクオリティで料理を仕上げる」当たり前だけどすごいこと

 

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提供する料理に差があってはいけませんよね。
調理師が提供する料理は、たくさんの数を同じクオリティで仕上げます。

 

日々そうしてきた調理師には、高い水準で仕事をムラなくこなすことが当たり前

 

そのための、コツコツと同じ作業を永遠と繰り返す仕込みで得た精神力は、どんな仕事に就いても通用します。

 

どの仕事に就いても、同じ作業を反復する業務は必ずあります。
「調理師水準の仕事の完成度」を挑めば、高い評価を得られるでしょう。

 

 

調理師にないスキルを自覚して業種選びに役立てよう

 

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ここまで見れば、調理師の仕事は料理以外でも他職でかなり役立つとわかってもらえたと思います。

 

しかしその反面もあるのでご注意ください。

 

例えば、私の見てきた範囲の調理師は、人と話をして仕事を進めるのは割と苦手だと思います。

 

スポーツ選手と似ていて、調理師は個人の実力でやってなんぼ、作ってなんぼの世界なので、ビジネスの話術は全く勉強していません。
個人差がありますが、人に話術で物を売ったり契約したりの仕事には向いていないでしょう。

 

そして私自身がそうだったのですけど、仕事で無機質な物を扱い、一日が単調な仕事で終わる業務にも向いていませんでした。
例えば工場のライン業務みたいな仕事ですね。

 

調理師では仕込みがあり、料理を提供する瞬間がありと、一日の中で激しい仕事の波があります。
それが染みついていたのか、単調な仕事では物足りなくなってしまったのです。

 

もちろん、個人差がありそれぞれの道で成功する人もいます。

 

 

私の場合は、いつまでも「元調理師」という安いプライドが心のどこかにあって、異業種ではうまくいかなかったのだと、今となっては思っています。

 

調理師という仕事で訓練された、「気構え」と「気遣い」そしてプライベートで活躍できる料理は、あなたの財産です。
違う仕事に就いても、是非役立ててください。