退職は自分の可能性を広げるチャンスになる
今回は調理師をもうやめてしまおう!と決めた場合に、何をしておくべきかをお話します。
私自身も20代の頃に、一度飲食業界から離れた経験があります。
戻ってからは、今まで数多くの仲間を見送ってもきました。
誰かが辞めて抜けると、その穴を埋めるまで時間がかかり、職場の仲間にもかなり負担がかかりますよね。
にも関わらず、今までの料理長の方々には、「気にすんな」「お前ひとりおらんでも変わらんから、次の仕事だけ考えとけ」などの熱い言葉?(口の悪い人が多かった記憶がががが・・・)で後ろを押していただいた思い出があります。
送る側になった今だからこそ言える、転職時にやっておくと有利になることをお伝えしたいと思います。
職場に対して辞める前にやっておくべきこと
まずは、職場に対して辞めるまでに済ましておきたいことです。
辞める理由はそれぞれにあるでしょうけど、その職場の全てが嫌になったわけではないですよね。
あなたにも、仲の良かった同僚や先輩、理解してくれた上司などがいるハズです。
辞めたい理由はどうであれ、できるだけ迷惑をかけないよう辞めた方が、必ずあなたの得になります。
子供のように全てを投げうって、ほったらかしで辞めるのだけは無しにしましょう。
現職と次職の調整をしよう
次の職場で働き始める日程
今の職場の退職の日程
この調整をしっかりしましょう。
次の職場の都合に合わせたい気持ちは十分に理解できます。
誰だってそうだと思いますよ。
今から去る職場と、これからの職場なら、これからの職場には無理を言いたくないし、まだあまり面識がないので言いにくいのも十分わかっています。
私も管理する立場になって初めて理解できました。
- 新たな職場側は、新規雇用者と設定した日程が来るまでは、あまり気にしません。
- しかし去る職場側は、退職へ向けてできるだけ何かしてあげたいと思います。
日程については、板挟みになって大変なのは理解できますけど、大人の対応で可能な限り努力しましょう。
「次が決まったので来月で辞めます」はNG
辞めることを上司や先輩に相談せず、ひとりで決めたときや、いますぐにでも辞めたいと思っている人でこのようなケースが多くありますが・・・
次の職場から「〇月からきてほしい」 と要望が出てから初めて、辞めることを会社へ告げる人がいます。
「俺(私)はもう辞めてやるから関係ない!
と思っている人がいますが、あなたを埋める人材がすぐにはいないのですから、その分今いるメンバーにかなり大きな負担がのしかかると理解しておきましょう。
次の職場が〇月って言ってるので・・・エッ!?
その次に困るのは、次の職場の都合を一方的に押し付けてくる場合です。
次の職場の都合を伝えてくるだけで、こちらの意見は通さない。
言いにくいのはわかるよ?
だけど子供じゃないんだから、上手く調整しようよって思います。
レシピや作業工程の引継ぎをしよう
辞めていく人の最後の責任ですよね。自分の後を継ぐ人へきちんと残すようにしましょう。
それぞれのポジションで必要なレシピや作り方のポイント、提供直前に気を付けるべき事などをできるだけ詳しく伝えて下さい。
仕込んだ料理のパーツやソースが冷凍庫へストックしてあるなら、それもちゃんと伝えておくようにしましょう。
退職後の負担を減らし仲間がスムーズに動けるよう、伝え漏れがないか何度も自分で確認しましょう。
関係者への挨拶周りで情報収集
退職が正式に決まった後に、自分の周りだけでなく、他部署も含めできるだけ多くの人へ退職を告げ、別かれの挨拶をしましょう。
「ありがとうございました」や、「お世話になりました」その一言だけで十分です。
最後の挨拶となると、気持ちが沸くのか普段話をすることのなかった人とも会話ができたりします。
会話の中で、自分が知らなかった次の職場の事や、頼れる人、人間関係などの話になることがあるんですよ。
調理師では関係のない職場同士でも、営業や総務関係などではつながりがあったりするものです。
自分からは話し辛い立場の上の人ほど、他職の上層部と面識があることが多いです。
情報収集も兼ねて、最後の挨拶では思い切った相手とした方のが得になります。
連絡先を交換しておくといざという時に助かる
職場では話すけど、連絡先を交換するほどでは無かった人・・・いますよね。
プライベートで接するわけでもないし、勤めている間は交換するつもりもなかった人とも、退職を理由に連絡先を交換することをおすすめします。
可能であれば、できるだけ幹部クラスとも交換してください。
料理長やシェフ、チーフ、営業部長など手あたり次第集めましょう。
めんどくさい人や、合わない人とは別にいいですけどね。
LINEや電話番号を交換したところで、プライベートで接する必要は全くありません。
だけど、これがいざという時にには本当に助かります。
同じ職場から離れ、上司、部下の関係から解放されると、みんなかなりいい人です。
職場を離れた後、他職に就いてからノルマが未達成で困っているときや、人の手配で困ったことや悩んでいる事などで相談すると、みんな本当に良くしてくれます。
職場に在籍しているときとは全く違う態度で接してくれるに間違いありません。
また、思わぬタイミングで向こうから人がいないか?などの相談があったりして、恩を売っておくとハイクラスの人達との関わりを広げるきっかけとなります。
そういう人のつながりからステップアップするのは、よくある話ですよ。
私物を片付けつつほしい物をゲット
自分の包丁や調理道具や料理本などの私物を片付けるために、前もって大きめで厚手のダンボールをキープしておくと楽になります。
おすすめは、内側が汚れにくいフルーツ類の箱
私物の整理で、個人的に借りていた物があれば、きちんと返してくださいね。
ウダウダっとそのままパクる人がたまにいます・・・
その中で、もし自分の欲しい物があれば聞いてみて下さい。
貸していた本人が忘れていたような物であれば、かなりの確率でくれたりますよ?
ペティナイフや調理道具とかでも、「餞別変わりに」ともらえたりします。
私の場合、自分が辞めてきた回数より、見送ってきた回数の方が多いです。
年齢関係なく、やっぱり一緒に働いてきた仲間の旅立ちには情が出て、人によってはかなりの物品をあげたりしました・・・
送る側としては、今まで厨房にあった誰かの私物でも、辞めるとなってきちんと身辺整理されていると寂しく感じます。
その情をうまく利用して、ほしい物をゲットしてみてはどうでしょう?
自分自身へやっておくべきこと
辞めると決めたなら、退職に向けてそれなりの準備が必要です。
寮や社宅なら退職時には出ていかなければいけません。
次の仕事を探すための情報集めも必要です。
退職する瞬間では遅いので、少なくとも3カ月前から用意し始めたいところですね。
引っ越すなら30万円以上使えるお金を貯めておく
退社と共に引っ越すなら、まとまったお金が必要になります。
- 引っ越し代
- 新たな家の敷金・礼金、駐車場代
- 新居の家具
- 次の給料までの生活費
ざっと見積もっても30万円以上かかります。
前もってコツコツ貯めておきましょう。
退職前に有給消化をしてくれる会社なら、副業で短期で稼ぐ方法もあります。
個人的な意見ですけど、この機会にリゾートホテルの飲食業を一度は経験しておいたほうがいいと思います。
都心の仕事とは違った体験ができます。
調理師を辞めて、次の仕事を探すまでの間の副業としたつもりが、そのまま就職・・・なんてかなり多いです。
調理師におすすめの副業をまとめましたので、参考までにどうぞ。
調理師スキルが活きる副業で小遣いを稼ぐ!生活の足しに収入を増やす
調理師が2週間で5万稼げる高額バイトを教えます
早めの転職先探しで有利な条件に
もう調理師なんて辞めじゃい!
って思い切ってしまうと、後悔しますよ?
辞めてからハロワで探すなんて最悪です。
誰もが同じレベルから始める求人から選ぶなんてありえません。
いい求人の情報はタイミングが重要です。
せめて3か月は期間をとって、見定めてください。
その場で選び、転職先でこれから頑張る。なんてもったいないし、効率が悪すぎます。マジで。
非公開の求人を扱う転職サイトって知っていますか?
エージェントと呼ばれる転職のプロと相談しながら、今まで培ったキャリアや経験を他業種でも活かせる転職法もあるんですよ?
どうせならステップアップできる転職にしましょうよ。
調理師を辞めるつもりだったけど、相談してみていい仕事があるならやるか・・・ってのもアリだと思います。
だって、いきなり役職付きの転職があったらラッキーですよね。
エージェントと相談できる、飲食専門の転職窓口です。
飲食求人なら【アイティーケー!】
対象区域:東京都・神奈川県・千葉県・埼玉県
飲食業界の転職はフーズラボ・エージェント
対象区域:東京、神奈川、千葉、埼玉、大阪、兵庫、京都、奈良、和歌山
レシピを整理しておくと復帰した場合に楽
なんだか調理師を離れようとしているのに、引き留めるような流れですが。。。そんなつもりはありませんので悪しからず。
調理師は一旦は辞めても復職が多い傾向にあります。
特に単調な仕事に転職した場合、耐えられずに再び調理師になる事が多いようです。
あなたが今まで調理師として集めたレシピや身に着けた技術は、かけがえのない財産です。
調理師を辞めるのなら、これ以上増えないのですから、これをきっかけにきちんと整理して大切に残しておきましょう。
集めたレシピを本のようにまとめられるし、その中でも和・洋・中と分類することができます。
さらに小分類としてタグを付けれるので、ピンポイントに検索が可能です。
保存データはクラウドに保存されるため、スマホやタブレットが変わってもデータは残るので安心です。
とは言う私は・・・手書きで集めるほうのが好きなので、ルーズリーフに書き足す派ですけどね。
だけど、作りたい料理のレシピを探す時には毎回大変です・・・
辞めた後でも続けておくとためになること
調理師を辞め、転職した後でも前職とのつながりを大事にしてください。
大げさな関わりを持つ必要はありません。
facebookやlineで連絡先を交換した相手の誕生日に、「おめでとうございます」と一言気の利いた言葉を添えるだけで大丈夫。
その程度でも、人とのつながりはとても大きな武器になります。
- 食事でちょっとした場を持つ必要のあるなら、調理師関係の誰かに聞けば融通が利くかもしれません。
- 人事で難しい判断をする際に相談できる相手がいるかもしれません。
- 仕事の流れ(システム)を作るときにも、他社のやり方を聞いて参考にできるかもしれません。
調理師を辞めて他業種に就いたなら、今後は前職のような人たちとの関わりを持つことは難しくなりますよね。
「今すぐ役に立つ」(言い方悪いですね)わけではありませんけど、このような人脈はこれからのビジネスライフで必ず助けになりますよ。
思わぬ良い話が来ることもある
私自身、調理師から離れて他業種へ行くも、調理師へ戻り今があります。
復職した理由は、前職の総料理長からのメールからでした。
若い人材を探している内容で、あてがないと伝えたところ、
お前でも(でも!?って思ったけど・・・)いいから戻ってきてくれ。その変わり、少しはいいポジションを用意するから。
ちょうど他職の仕事が合わず、調理師に戻ろうか考えていたタイミングでのお誘いだったため、復職することにしたのです。
ありがたい仕事の誘いは運やタイミングが絡んできますが、それを引き寄せる人脈を広げておくことに越したことはありません。
相談した場合でも、あなたの事を悪からずと思ってくれているなら、必ず力になってくれるでしょう。
今の時代、調理師は人手が足りていないので、口添えしてくてる相手によっては、この転職を機にステップアップできるかもしれません。
転職を仕事が変わるだけと捉えるだけでなく、人脈を作るきっかけにしましょう。
他人にはない、あなただけの人のつながりでビジネスチャンスを大きく広げてくださいね。