同じ調理師でも違う業種の給料は?休日は?仕事の内容なども調査
今回は調理師はどんな仕事があるのか?大きなジャンルに分けて整理しました。
もし転職を考えているなら、どんな仕事があるのか?に参考になると思いますよ。
- 旅館やホテル
- 学校給食
- 福祉施設
- 病院などの食堂
- 食品開発
飲食店以外にたくさん業種はあります。
調理師って、意外と自分の業種以外は詳しく知らないのではないでしょうか?
私自身が、転職を考えた時に選択肢の幅が狭かった覚えがあります。
あなたももし、そう感じていたならここで他業種の情報を得て、自分のスキルを活かせる業種があるか考えてみてはどうでしょうか?
調理師を求めている業種はこんなにある
業種ごとに就業人数の多い順に紹介します。
見慣れない業種の解説は後程致しますね。
- 飲食店営業・・・31%
- ホテル、旅館など宿泊施設
- 店舗
- 社会福祉施設・・・23%
- 老人福祉施設
- 障害者支援施設
- 保護施設
- 婦人保護施設
- 児童福祉施設 など
- 学校給食・・・18%
- 小学校給食
- 中学校給食
- 高校給食
- 給食センター
- 病院・・・10%
- 院内給食
- 従業員食堂
- 介護老人保健施設・・・4%
- 事業所・・・3%
- ケータリング
- 弁当製造
- 機内食製造
- 魚介類販売業・・・1%
- そうざい製造業・・・1%
- 矯正施設・・・0.03%
- その他・・・2%
- 船舶料理士
- 公邸料理人
平成30年度衛生行政報告例より
調理師の仕事を大きなジャンルで分けると、このようになります。
調理師=料理を作る人
だけではありません。あらためて思い出してみてください。調理師免許をとるため勉強したはずです。
「公衆衛生学」「食品学」「栄養学」「食品衛生学」「調理理論」「食文化概論」
これらの基礎知識を持ち、料理を作る人が調理師です。
就業場所によって、それぞれの分野に必要な知識量が変わってきます。
企業は自社の仕事の適正に合った調理師を求めているのです。
調理師の仕事を業種別に解説
やはり給料面と休みの具合が一番気になるのではないでしょうか?
仕事の内容はみなさんが知っている当たり前の事を解説しても意味が無いので、その職業に就くならどんなスキルがあったほうが有利になるか?などの有益になりそうな情報も集めてみました。
では、ひとつずつ解説してきましょう。
飲食店営業
調理師なら夢を見る人も多い店舗オーナーから、その従業員、宿泊施設の飲食店が主なジャンルになります。
飲食店オーナー
給与目安:0〜650万円 1000万以上は数%ほど
休日:80%以上が月平均4〜6日
同系列の飲食店や、ホテルなどの宿泊施設で料理を勉強し、独立するケースが多い。
求められるスキル
原価管理能力、経営能力、マーケティングの知識、リスクマネージメント、コミュニケーション能力、従業員管理能力など多数。
飲食店調理師
給与目安:230〜400万円
休日:月平均6〜8日
調理師として一番働きやすい業種。どこの飲食店も人手不足のため、一般企業と比較すると休日は少なく、給料も店の売り上げに左右される。
国民保険に加入する場合が多い。将来は独立を目指す人向け。
求められるスキル
調理技術、雑務処理能力、コミュニケーション能力
ホテル、旅館など宿泊施設の調理師
給与目安:280〜800万円
休日:月平均6〜9日
企業へ従事するため、労働条件は安定している。給与を上げたければ出世が必須。社内の競争に勝つべし。細く尖った料理人を目指す方向け。
求められるスキル
調理技術(特化)、食材管理、調理業務処理能力
社会福祉施設
いわゆる老人ホームの給食が多く、出向先で栄養士の指導による調理を行う。給食請負企業へ就職します。仕事内容は大量調理。
給与目安:230〜450万円
休日:月平均9日
定時に終わり、休日は多いです。全国各地で求人が非常に多く就業しやすい。現場で働いているうちは高給は望めないため、管理部門へ出世を目指そう。
現場では、減塩、アレルギーなど個人に合わせた対応が求められる。
求められるスキル
大量調理技術や知識、パートとのコミュニケーション能力
学校給食
社会福祉施設と同じく業者が請負いしています。仕事は各学校の調理場で児童のために給食の大量調理です。
給与目安:230〜450万円
休日:月平均9日
定時に終わり、休日は多いです。全国各地で求人が非常に多く就業しやすい。現場で働いているうちは高給は望めないため、管理部門へ出世を目指そう。
現場では、児童のアレルギー対応に特に気遣いが必要。
求められるスキル
大量調理技術や知識、栄養士やパートとのコミュニケーション能力、注意力
病院
入院患者の給食の大量調理が仕事です。採用形態がいくつかあります。
- 請負い業者
- 病院直属の正社員
- 病院直属の契約社員
さらに国立病院直属の雇用なら公務員の扱いとなります。
給与目安:平均270〜520万円
休日:月平均9日
塩分、栄養調整、硬さなど食事制限の対応が厳しく、栄養士や管理栄養士の指示に従って作ります。能力が認められれば、専門性の高い特別治療食を担当することも。
さらに衛生管理も徹底しなければいけません。大量調理の経験者、栄養士の資格、調理師として幅が広い人が雇用されやすい傾向にあります。
求められるスキル
大量調理技術や知識、栄養士やパートとのコミュニケーション能力、調理業務処理能力、注意力
介護老人保健施設
仕事は大量調理と、食事制限の対応です。請負い業者へ就職します。
日常生活復帰を目的とした老人リハビリ施設で食事を提供します。一時的な滞在のみ。入居者が3〜6か月で入れ替わるため、栄養士監修の献立を作ります。
給与目安:平均240〜450万円
休日:月平均9日
残業なし、休日は多いが、給料が上がる見込みは薄い。
老人ホームと併設されている場合は、大手食品会社が介入していることが多い。現場を離れ、管理部門まで出世できれば給与はあがりやすい。
求められるスキル
大量調理技術や知識、栄養士やパートとのコミュニケーション能力
事業所
いわゆる食品工場やケータリングサービスなどで働く調理師です。
地元のお弁当屋さんから、大手食品会社、機内食製造や商品開発、ベンチャーのケータリングまで幅が広い。
給与目安:平均220〜670万円
休日:6〜9日
個人のスキルが求められる。調理師が集まった調理場で食事を作るイメージはなく、企業の一員として、調理や料理に精通した従業員のイメージです。
調理師が自らこの道へ進むことは少なく、仕入れ業者から誘われたり、ツテから始めるケースが多い。
求められるスキル
調理技術や専門的な知識、発想力、原価管理能力、HACCPの理解、リスクマネージメント、マーケティングの知識、コミュニケーション能力、プレゼンテーション力など
魚介類販売業
魚屋さんのこと。衛生管理責任者が必要なため、調理師資格を持っている人は多い。
調理師からの転職という面では、非常にレアなケースでしょう。
そうざい製造業
惣菜の卸売り業者。衛生管理責任者が必要なため、調理師資格を持っている人もいる。
好条件での引き抜き以外では、調理師からの転職は少ない。
矯正施設
罪を犯した大人や未成年の更生施設のことです。栄養士以外は内部の調理経験者が作ることが多い。わずかながら、一般の請負業者が給食を作る施設もあります。
その他
特殊な条件や資格、環境下で調理業務を行います。
船舶料理士
調理師資格を有していれば、学科は免除され、船舶でひと月ほどの実地講習のみで取得できます。
船内で調理することはもちろん、ある程度料理の幅と、食材管理の知識がないと苦労します。
給与目安:平均360〜600万円
休日:月4日
特殊な条件下による業務になるため、公務員採用がかなり多い。船に抵抗がなく、調理師として柔軟に現場へ対応できるなら挑戦してはどうでしょう。
求められるスキル
調理技術や料理の幅、食材管理能力、HACCPの理解、リスクマネージメント
公邸料理人
聞いた事はあるけど、よく知らない人 多いのではないでしょうか?公邸料理人とは、海外にある日本の大使館や領事館の公館長公邸で働く料理人のことです。
働く期間も限定されていて、大使の任期=公邸料理人の任期です。大体は2〜3年。
和食、中華、西洋料理どのジャンルの方でも応募できますが、日本らしい料理、寿司、天ぷらは最低限ラインで必要。海外の食材に対して、柔軟な発想が求められます。
給与目安:推定360〜500万円(海外現地にて日本円換算)
休日:月4日+α
料理長クラスばかりで敷居が高いイメージでしょうが、意外とそうではありません。普通です。
ただ、各国の要人をもてなす料理を作る必要はあります。
仕事内容は、月に数回行われるパーティーの食事がメインで、その他は公館長夫婦の日々のご飯作りになります。
求人の申請や、働く環境、場所は特殊。危険な国なら危険手当が上乗せされます。
生活費の一切は公費で賄われるため、衣食住には困りません。
求められるスキル
調理技術や料理の幅、献立(メニュー)作り、調理業務処理能力、注意力、コミュニケーション能力、食材管理能力、言語能力、リスクマネージメント
調理師の仕事もっと細かくある けど結局は・・・
いかがでしょうか?
今回は大きな分類でしか紹介できませんでしたが、もっと細かい仕事も紹介していきたいと思っています。
30歳までなら色々チャレンジして、自身の幅をドンドン広げるべきです。
ただ、ある程度の年齢を重ねて転職するなら、自身の経験が活かせる業種にしてくださいね。
培ってきた技術や知識が、他の業種では貴重な戦力となり、ステップアップできるきっかけなる事はよくあります。
知識を広げ、自分の力がどこで求められているかを把握し、そこで活かす道もひとつの選択肢だと考えます。
それでも最後に踏み出すのは自分です。
あなたが一歩を踏み出さなければ何も変わりませんよ?
現代はスマホひとつでたくさんの情報が集められますよね。
いい情報が他人へ行く前に、有利になる情報をたくさん得られる環境を作ることが大切です。
たったそれだけでも、今を変えるきっかけになる大きな一歩だと思います。